2015年9月1日

東京で(七八)

当時の東映東京大泉撮影所と云うのは、私等大部屋俳優にとって、演技課事務員さん達は、権力の固まりで、何たって嫌な人間ばかり。
そりゃ中に二人(全部で十人程いたのかなあ)程は、普通の人もいましたがネ、何故、権力があるか、(大部屋俳優だけに)通行人等の所謂仕出し(エキストラ)の場合はいいのだが、例えば子分ABCDとか、セリフのある、オマワリさんAとか、台本に役名がある時。
役といっても、少しでも目立つような役は、演技課員の範疇ではなく、つまりもっと上の課が決める。
つまり東映以外の役者を呼んでくる。
だがら大部屋の連中は、少しでも目立つ役が欲しいものだから、コノ事務員等にヨイショしたりオベッカしたり大変な訳で、その事務員の中でもWという、ニッチもサッチもいかない嫌な奴がいた。
とにかく当時のスターさん達には、米つきバッタのごとく、他から来た名のある俳優サン達にも、上手い、実にヨイショが上手い。その反動だか、生まれつきのモノなのか知らないが、下の者、つまり大部屋俳優達に向かっては、まるで物扱い。
皆判っているんだが、へたに逆らったら、ずっと仕出しの役?しか、くれないもんだから、皆サン愛想笑して穏便に穏便にと暮らしている。
それでも我慢大部屋の中にも、正義の人はいるもので、こういう正義の人にはWも一目置いてる感じで、何となくソワついている。敬語らしき素振りも見せている。
いるんだネどの世界にも、ま、当たり前か、、、、、。

プレバト〜生け花、生まれて初めての体験!

石倉三郎