2011年11月1日

大阪時代(三二)

弱きの虫が頭上げて、お母ンに一日の顛末を話したところ、
「判ったか!それが世の中や!まあ、何事も勉強や勉強!」そして翌日、行きましたよ、梅田へ。
翌日は吹田というところ。結果は同じ。その翌日、つまり三日目、辞めました。二日坊主!
真っ暗な思いで新聞求人欄。今度は梅田の喫茶店。
給料は朝八時から夕方六時迄で確か一万ちょっと。何の事はない。前の会社にいれば良かった。
コレが言う処の後の祭り!ま、しかし、可愛い子はいるし、いいかと。
今なら客の注文位、ハイハイア解てなモンですけど。当時は一回聞いた位では、それもアベックだの
三人連れ四人連れになると、もうチンプンカンプン。まあ一カ月位で慣れましたがネ。

「小豆島の悪友と」


三ヶ月位たったある日、店の従業員で可愛い娘がいましてネ!
チョッカイをしてたら、何ンと彼氏が店のキッチン主任(チーフ) 、主任ったって、二十二、三の
ガラの悪さが売りモンの横柄な奴。そのヤローがある時、私にこう言った。
「オーコラ!ワレ誰の女にチョッカイ出しとんねん!新入りのクセになめとんかい!いてもたろか!!」
手にピック(水を割る先の尖った道具・・・御存知ですよネ)を持って。
久し振りに驚かされてタイミングも外されて、「イヤ・・・その・・・つまり・・・」なんて言ってたら、いきなり
ピックをマナ板に突き刺した。

石倉三郎