2011年1月1日

小豆島で生まれて。(二二)

勿論バスも終ってるし、何処かで寝なきゃならない。
夏ならいいけど真冬だし、凍死なんて洒落にもならない。
仕方ない!家にあるかどうか判らないけど、タクシー料金が!
しかし、それを言ってる場合じゃないし、
「エエーイクソッタレ!なるようにしかならんわ!!」
とタクシーを止めようと手を上げるのだけど、全く見向きもされない。
運転手にしてみればこんなベロンベロンのガキを乗したら、
エライ目に合うと思ってたんでしょうな。とにかく止ってくれない。

門前仲町 花菱スタッフ


気は焦ってくるし、そこへパトカーが来たので、何ンとか相談しようと手を上げて近づくと
「危ない!歩道を歩きなさい!歩道を歩きなさい!」まさに取りつく島が無いって奴で、
「エエーイクソッタレ!!野宿だ!」と思い、阪急デパートの前の地下鉄の階段を降りて行くと、
その階段に今で言うホームレスの面々が寒さに思えながら就寝中。
踏んづけないように下に降りたら、とにかく暖かいし広い。
向こうに地下街があって勿論シャッターは下りている。サー何処等当たりで寝ようかと、
まぁ柱の隅にでもと思い、柱に凭(もた)れて寝てたら、巡回士が来て、
「あんた!こんな処で寝たらアカンがな!早よ出てくれやあ!」

石倉三郎