2010年1月1日

小豆島で生まれて。(十)

しかし、こんな状況にも、すぐに慣れてしまい、さて学校である。
二年からの編入で歩いて10分程の所にある、
大阪市立緑中学校という創立二年目の学校で、
つまり小生は畑の中にポツンとある、
この真新しい運動場(つまり校庭)は半分程しかなく、
ゆえに講堂なんかも無いという学校に転校したのであります。
未練な思いがあって、「柔道部はあるのかなあ?」何て思っていたら、
講堂がないのだからある訳もなく、
運動場が出来上がってないのだから野球部なんてのも無い。
何か何も無かったような気がしますね。

「オリビアン小豆島にて」


陸上部なんてのはあったのかなぁ、まあしかし、いずれにしろ、
小生にとっては、関係のない事で、
とにかくバイト先を見付けるのが先決で、朝夕の新聞配達、
夕刊を配った後、近所の市場にある米屋の手伝い、
これはうまい具合に確保出来て、割と精神的に楽になって、
まぁ友達もボツボツできた。
何より嬉しかったのは、あの嫌いな会費を納める日に、
担任教師が出席番号順に呼び上げる時に、
小生の前に呼ばれた奴が、納入出来ない理由を、
「スンマヘンナー先生。ワシの処貧乏でっしゃろ、そやから
持ってこれませんねん。」

石倉三郎