2009年11月1日

小豆島で生まれて。(八)

担任教師は、「柔道やめんたんか、すぐに根を上げるようじゃあかんぞ。
何か他の部へ入れ」なんて云われるし、
ケッ!面白くネー!!
拗ねましたなあ、この頃からグレたんですよ。
ある日の国語の時間に、教師が休みで、急遽英語になり、
皆ブーブー云ってる、そこでオッチョコチョイでイキが上がってた俺は、
「英語なんか冗談やないでー!!」って、
その憧れのマドンナ教師を泣かせて教室から追い出してしまった。
コレはヤバイ。
担任にいいつけられたら痛い目にあわされる。
今と違ってその頃の先生は、バシバシ殴るし蹴るし
翌日、恐さで唸る私を担任教師がジロリと冷たい目で睨み
「アホっくらいめ!」と一言。

「島宿真里にて小引きを食す」


アタシにとっちゃ鮮烈な思い出なんだが、
今、同級生に聞いても、誰も覚えていなくて
おかしいのは、役者になって“ガキ大将ふるさとに帰る”なんてテレビの仕事で、
その件の憧れの英語教師に会って、当時の事を謝り、
色々話も弾んで、最後にその憧れのマドンナが放った一言。
「それがネ、私、アナタの事、全然覚えてないの。ゴメンなさいネ。」
映像が揺れましたな。

石倉三郎