2012年12月1日

大阪時代(四五)

早速、大家サンの最中屋で働く事となり、近くの工場へ早速、大家サンの最中屋で働く事となり、近くの工場へ。
社員と思われる男の人一人と後は全てパートのオバサン三人だった。 ついて、すぐに餡を練る作業。
一所懸命やりましたヨ。真面目に懸命に。そうこうしてる間に来ましたネ!劇団二次審査なるものが......。 で、その日は休ませて貰い、会場へと向った。
けど、まあさんざんウロウロした挙げ句、やっとこさたどり着いて、面接を受けてると、
「貴君は、東京に親戚、あるいは生活の面倒を見てくれる人はいますか?」
「イエ、そんなモンは、いませんし、ありません。」
「あ〜、では、生活は仕送りしてもらうのですか?」
「いえいえ、僕の方から仕送りするんです。」
「ハア〜?君の方から仕送り?」
「ハイ!そうです。」
「ゴメンナサイ。うちの劇団はアルバイト禁止で、生活は親からか親戚から援助を受けられる人でないと駄目なんです。」
「え〜!!本当ですか!では、僕は鼻っから駄目って事ですネ!」
「残念ですが」......で、ジャンジャン!!


「お前ら、笑過ぎなんだよ〜!」


冗談じゃネーぜ!ふさけやがって、だったら最初っから、そうやって募集する時に書いとけヨ!!
何とも簡単に私の第一関門はパー、こういう時、すぐ次兄の顔が 浮かぶんですヨ私は。あの俺を小馬鹿にした薄笑いが。
まあしかたなく、ションボリ部屋に戻った。 先輩後輩の帰りを待って、飲もうかなあなんて考えてたら、定時が終って帰って来た最中屋の先輩が、「サブチャン、一杯行こうか?」「ハイー!!」
てんで、近所の居酒屋へ。

石倉三郎