2011年8月1日

大阪時代(二八)

「何や、そうかい。ほな、まあそれ迄に頭も冷えるやろ。とにかく明日はキチンとせえよ。」
「ウン」
てな訳で、翌日、副社長(専務)に実はコレコレシカジカと話すと、「へえ〜石原君、凄い事考えてる弟を持ったもんやなあ。役者?へえ〜凄いなあ。三郎君、君ホンマに俳優になるんか?へえ〜又何でや?」
「イヤもう専務、こんなアホに何を言うても仕様が無いですわ。ホンマにこの度は何ンとも申し訳有りません。」
「イヤイヤ、そうか俳優かあ。ほなスターになったら、内の会社も鼻が高いなあ。今の内にサイン貰とこかな。えーどや石原君!」

「大好きな小豆島の海」


小生ただただ黙って、泣きたいようなホットしたような、これは大変な事になったのかなあ等。何だか頭がボーッとしてしまい、兄貴に「オイお前!何をボーッとしてんねん。早よ専務さんにキチンと挨拶せんかい!」
「すんません、ホンマにすんません。頑張ります!」と言いながら、コレは、もしかしたら非常に馬鹿な事をしてるのではなかろうか?
今、「やっぱり嘘です、冗談ですよ。兄チャン、ウソに決まってるやんか!」っと言う思いが頭を駆け巡り、イヤやっぱりこれでええんや!これで生きて行くんや!という思いが交錯して、何が何だか分からず、兄貴に促されるまで頭ん中は白くなってましたな。

石倉三郎