2015年3月1日

東京で(七二)

まあ、こういう奴は世の中にゃいっぱいいるし、同じ三下役者の足引っ張っても仕様がネーと思うのだけとなあ。
映画会社にも定時というのがあり、「へえ、普通の会社と同じだなあー」なんで思って、つまり朝9時から夕刻5時、5時以降は残業という事になる。
勿論、撮影中は残業が続く事になる。小生の場合、運良く定時に終了してもバイト先のユアーズまで1時時間半位は掛かる。
で、7時から深夜3時迄、終って4時に寝て、起床6時。まあ、さっと2時間の睡眠。
撮影が休みだったり、昼前に撮したり色々だったけど、3年半程居た東映生活中、平均睡眠時間3〜4時間。若さで持ったんですよネ。

「CM〜ふわふわポン!」


で、昼の休憩時間にはメシ喰ったら即楽屋で寝る。すると意地の悪い先輩に蹴っ飛ばされて、
「いい若いのがグースカピースカ寝てんじゃネーゾコラ!」
「済んませーん!気を付けまあ〜すネ!」
「テメーはいつも寝てやがるな。やる気無えのなら、辞めちまえ!」
「どうもどうも済んません。これから寝ませ〜ん。」
「大体オメーは健サンの紹介で入れたんだろ?!だからってスターになれるとでも思ったら、大間違いだ。判ってんのか!」
「ハア?そんなスターさんになれるなんて、思っても感じた事もないすよ。そんな事は別世界のコトですよ。」
「当り前だ!調子こいてんじゃネーぞコラ!」
「調子なんかこいてませんよ。何すか、寝てたことに感しては謝ってんじゃないすか。」「
何だコラー!テメー、俺に文句あんのか!?」

石倉三郎