2013年7月1日

東京で(五二)

スーパーマーケットで夜中の1時迄営業だなんて、今なら当り前の話だが、
昭和40年代当時は、この青山通りにある「ユアーズ」のみ。
東京の中でもコノ港区青山と云う処は、特別な格好良さが有って今だに、
イヤ、益々光り輝いてる場所になってますなあ。
ともかく、この「ユアーズ」、朝10時開店の深夜1時閉店。
(後に深夜3時になり、とうとう24時間営業になった。)
先輩諸氏に聞いたところ、「昼にお客サンなんか、ほとんど来ない。皆、近所のスーパーに行く。うちのの近くに普通のスーパーが3軒あり、いづれも朝10時から6時位迄だから。うちは高いからよ〜。だから丁度良いのよ。昼間の連中は前日に売れた商品の補充や品切れ品の仕入れよ。
客がいないから、自由に動け回るしな。」、てな訳でこの「ユアーズ」と云うスーパー、
ほとんどの商品が外国製品。今迄、見た事も聞いた事もない缶詰やら、野菜、果物、初めて知った冷食品の数々。


「小豆島の旧友と」


それ等が売れる。ドンドン売れる。客の種類は米国人、英国人、仏国人など、
銀座のお姉サン方、芸能人、野球選手、プロレスラー、作家等、あらゆる業界のスター達、圧巻だったのはNHK紅白歌合戦が終った後の店だ。
来るは来るはスター歌手達がマネージャーや付き人を連れてカートを押しながら、
正月用品をドンドコ買って行く。
とにかく休憩するヒマもなく、働いた。

石倉三郎