2016年1月1日
この二人が酔っぱらったデカイ声で、「オメー等、そこへ並べ!!早くしろー!!」怒鳴っていやがる。六〜七人で寝ている全員が立たされて壁際に並んだ。するとWのヤロー。「オメー等、誰のお蔭で、ここへ来れたんだ?スヤスヤ寝てる場合じゃネーだろ!気合い入れてやる!」てんで端からにヒッパタキだした。まるで映画で見た軍隊だ!こっちは眠いしボーッとしてるし、何が何だかサッパリ解らない。ただ殴られてるだけだ。その内、飽きてきたのか「ようし、もう寝ろ!」なんて云い残してニヤニヤ笑ってる衣装部のバカを連れて出ていった。鼻血出したり、口が切れたりしてる先輩。俺は耳に当てられジーンとしてて何も聞こえない。
「全く何があったんだ?」皆で色々考えたけれども、どうも覚えがない。普段から腫れ物に触るように距離をおいているのに、シクジルなんてありえないだろう。全くその通りで、どうせ何か原の虫の居処でも悪かったんだろと云う事で幕引きだ。シカシ何だか、つくづく情けなくなって……明くる日、撮影中に仲の良い奴に、「夕べの事はしかしガマンしなきゃならネーのかな…!」なんて話してたら先輩が、「昨日の事はヤッパリ一度上のエライさん達に云うべきだよなあ。」「そうですよ、いくら何んでもチョット違ってますよ」で終わって宿へ帰り寛いでいる処へ、Wが翌日の予定を持って来た。俺達のスケジュールはコノ演技事務員が作っている。「明日はA班B班で撮るからA班B班間違うなよ!あ、それから、夕べは悪かったな。コレで一杯飲め。」ってんで二千円だか三千円だか投げた。コレ見てもうたら駄目だった。
映画「つむぐもの」初主演作。 |