2018年3月1日(木)~7月1日(日)
入場無料(別途入村料)
「二十四の瞳」の舞台となった小学校で、かつて実在した男先生が綴る写真の数々。 昭和20年代の闊達な子供たちの息吹とそれを見守る大人たちの優しさと共に。
第二回企画展は、『二十四の瞳』の舞台、小豆島に実在した男先生、池田正輔氏の写真展です。 昭和29年木下惠介監督、高峰秀子主演、映画『二十四の瞳』ロケ当時も含め、 岬の分教場の様子だけでなく、小豆島の風俗や生活が伺えます。
監修 鈴木展子 (池田 正輔・嘉代子 長女)幻冬舎ルネッサンス「岬の分校とちいさな村の物語」著作
今回開催します『岬の分教場回顧録 池田正輔展』は、「おとこせんせ」こと池田正輔が妻 嘉代子と昭和23年春、 小豆島の苗羽小学校田浦分校に赴任してから9年間に渡って撮った写真の一部を展示するものです。 平成20年に「おなごせんせ」である嘉代子が他界。遺品の中に正輔(平成9年没)の撮ったフィルムを見つけました。 赴任した直後は、外地からの引揚者だったので「なんちゃ持っとらんせんせ」(何も持っていない先生)といわれるような暮らしでしたが、 岬の分教場周辺地区の皆様に支えられ生活が落ち着き、絵画や写真を趣味としていた正輔はカメラを手にし、 子供たちとの学校での日々、村の風景や仕事などを折に触れて撮り続けました。 当時は今のようなDPEもなくフィルム1本撮り終わると自ら現像し、引き延ばし機を使って紙焼きにしていました。 本人が焼いたプリントは無くなってしまいましたが、フィルムが残っていたのです。ピントがあまかったり、 カビで白っぽくなってしまったものも中にはありますが、戦後の分校の姿をしっかりと捉えています。 皆貧しく物のない時代、村の人々と学校が子供たちを共に育てていたことを目の当たりにすることができるのではないでしょうか。 昨今、暮らし向きを見直したり、人と人の優しいつながりを大切にしたいと思う風が吹いているように感じます。 池田正輔の色あせた写真が、昔を懐かしむだけではなくお互いを支えあう、これからの希望への道標となればと願います。